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ホーム > 大乗仏教の根本〈般若学〉入門

大乗仏教の根本〈般若学〉入門  新刊

チベットに伝わる『現観荘厳論』の教え

大乗仏教の根本〈般若学〉入門

密教の修行において不可欠とされた「般若学」の真髄を、チベット仏教研究の第一人者である著者が、重厚な語り口で説き明かす!

著者 田中 公明
ジャンル 書籍 > 釈尊・仏教思想
書籍 > その他
出版年月日 2014/09/15
ISBN 9784804613666
判型・ページ数 4-6・240ページ
定価 本体2,500円+税
在庫 在庫あり
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目次

まえがき
カバー写真「大般若説相図」について
チベット語のローマ字表記について

序 論
▼ 第1章 般若学とは何か?
はじめに/四大宗派の教法/チベット仏教の修学/チベットの般若学/般若学研究の意味

▼ 第2章 『現観荘厳論』の構成
シ・ラム・デーとの出会い/『現観荘厳論』とシ・ラム・デー/まとめ

▼ 第3章 般若学の歴史
無著・世親兄弟の誕生/無著と弥勒菩薩/伝承の意味/世親の廻小向大/般若学の継承/まとめ

▼ 第4章 チベットへの伝播と発展
チベットにおける般若学の学統/チベットにおける般若学の位置づけ/大中小の『般若経』/分際(サツァム)/心相続(ギュー)と相続後際(ギュンタ)/まとめ


Ⅰ 一切相智
▼ 第5章 一切相智について
『現観荘厳論』における一切相智の位置づけ/『二万五千頌般若経』における一切相智/一切相智の十法/十法の次第/まとめ

▼ 第6章 発心について
『二万五千頌般若経』における発心/発心の定義/二十二種の発心について/二十二種発心の意味

▼ 第7章 資糧行について
『現観荘厳論』における資糧行の位置づけ/『二万五千頌般若経』における資糧行/十七種の資糧行/智の資糧/対治の資糧/まとめ

▼ 第8章 地の資糧について
『現観荘厳論』における地の資糧の位置づけ/『二万五千頌般若経』における地の資糧/初地の十法/二地の八法/三地の五法/四地の十法/五地以後の菩薩地/まとめ


Ⅱ 道種智
▼ 第9章 道種智について
『現観荘厳論』における道種智の位置づけ/『二万五千頌般若経』における道種智/道種智の十一法/まとめ


Ⅲ 一切智
▼ 第10章 一切智について
『現観荘厳論』における一切智の位置づけ/『二万五千頌般若経』における一切智/一切智の九法/まとめ


Ⅳ 一切相現等覚
▼ 第11章 一切相現等覚の行相
『現観荘厳論』における一切相現等覚の行相の位置づけ/『二万五千頌般若経』における一切相現等覚/『二万五千頌般若経』における一切相現等覚の行相/一切相現等覚を説く理由/一切相現等覚の一七三行相/まとめ

▼ 第12章 一切相現等覚の加行
『二万五千頌般若経』における一切相現等覚の加行/加行者と加行/四種の加行者/加行の二十相/まとめ

▼ 第13章 加行の徳と失
『二万五千頌般若経』における加行の徳と失/一四種の加行の徳/四六種の加行の失/加行の失とは何か/まとめ

▼ 第14章 加行の相
『二万五千頌般若経』における加行の相/九一種の加行の相/加行の相の内容/まとめ

▼ 第15章 後半の六義について
『二万五千頌般若経』における後半の六義/後半の六義の意味/まとめ

Ⅴ 頂現観
▼ 第16章 頂現観について
『現観荘厳論』における頂現観の位置づけ/『二万五千頌般若経』における頂現観/八種の頂現観について/頂現観の意味

▼ 第17章 無間三昧について
『二万五千頌般若経』における無間三昧の位置づけ/『二万五千頌般若経』における断ずべき顛倒/無間三昧について/断ずべき十六種の顛倒について/まとめ


Ⅵ 漸現観
▼ 第18章 漸現観について
『現観荘厳論』における漸現観の位置づけ/『二万五千頌般若経』における漸現観/十三種の漸現観について/漸現観の意味


Ⅶ 一刹那現等覚
▼ 第19章 一刹那現等覚について
『現観荘厳論』における一刹那現等覚の位置づけ/『二万五千頌般若経』における一刹那現等覚/四種の一刹那現等覚について/一刹那現等覚の意味


Ⅷ 法 身
▼ 第20章 二十一種無漏智について
『現観荘厳論』における二十一種無漏智の位置づけ/『二万五千頌般若経』における二十一種無漏智/『現観荘厳論』における二十一種無漏智/二十一種無漏智と三身説・四身説/まとめ

▼ 第21章 自性身について
『現観荘厳論』における自性身の位置づけ/『二万五千頌般若経』における自性身/『現観荘厳論』における自性身/自性身の特相/三身説と四身説の相違/三身説と四身説の系統/まとめ

▼ 第22章 報身の五決定
『現観荘厳論』における報身の位置づけ/『二万五千頌般若経』における報身/『現観荘厳論』における報身/報身の五決定/五決定の典拠/まとめ

▼ 第23章 応身について
『現観荘厳論』における応身の位置づけ/『二万五千頌般若経』における応身/『現観荘厳論』における応身/応身の分類/最高の応身の十二事業/まとめ

▼ 第24章 法身の事業
『現観荘厳論』における法身の事業の位置づけ/『二万五千頌般若経』における法身の事業/二十七種の法身の事業について/二十七種の法身の事業の意味…222/全体の総括

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内容説明

本書まえがき(抜粋)

『般若経』は、ブッダと須菩提・舎利弗のような仏弟子、あるいは帝釈天や恒河天女といった神々との問答という体裁を取ってはいるが、大乗仏教が真であると考える教理命題の羅列が全巻の大半を占めている。同じ大乗仏典でも、『法華経』や『華厳経』のようなドラマチックな戯曲的構成がないのである。しかもその内容は、紀元後一世紀頃から徐々に形成されてきただけに、当初から一つの首尾一貫した体系的説示とはなっていない。それにも関わらず、『般若経』が大乗仏教の根本聖典として広く尊崇されてきたのは、それが大乗仏教の根本思想を、もっとも端的に示したものであったからに他ならない。

 そしてこのような『般若経』を、体系的に理解しようとする論書が『現観荘厳論』(アビサマヤーランカーラ)であり、その試みをさらに発展させたものこそ、チベットで「般若学」(シェルチン)あるいは「波羅蜜学」(パルチン)と呼ばれた教理学に他ならない。

 本書では、『現観荘厳論』のトピックを、可能な限り『二万五千頌般若経』の経文にまで遡って考察するという手法を採った。ところが本書で見るように、チベットの般若学で教証として引用される『二万五千頌般若経』の経文のいくつかは、漢訳の『大品般若経』や『大般若波羅蜜多経』「第二分」には、対応箇所が見いだされない。

 そこで本書では、ネパールで発見されたサンスクリット原典やチベット訳に見られる経文を、もし鳩摩羅什や玄奘が目にしたら、どのように訳したかを想定し、現行の『二万五千頌般若経』に合致する漢訳を仮想的に作り、漢文読み下し調にして引用した。この際、『十万頌般若経』に相当する『大般若波羅蜜多経』「初分」を漢文読み下しにした『国訳一切経』「般若部」(椎尾辨匡訳、大東出版社)を参考にしたが、玄奘の新訳語で一般には普及していないもの、例えば「善現」は「須菩提」というように旧訳語に置き換えた。

 このような手法については、もちろん学問的な批判はあるだろうが、この便法によって従来難解とされてきた『現観荘厳論』に基づくチベットの般若学が、日本で仏教を学ぶ学生にも十分理解可能なものとなったと自負している。

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