《目次》

第一章 一真実の世界
唯識は唯心論か/識の構造/識の四分説/主客未分の世界/心が動く/花開き、竹響く/心不可得

第二章 言葉と存在
不立文字/仏教の言語哲学/言葉は実在と一致しない/言葉が適用されるのは識/ただ、これ、これ

第三章 修行の道筋
迷いから悟りへ/段階的な唯識の道/禅の『十牛図』/分析的な唯識観/具体的な禅の道

第四章 自己のありか
哲理と詩/冬と春/現象即実在/具体的な世界に絶対を見る

第五章 今を生ききる
空間的縁起と時間的縁起/大河の比喩/刹那滅をめぐる対論/縁起は仮設されたもの/現在から現在へ/三世心不可得/大拙の禅的自由/因果をくらまさず

第六章 生死を超える
輪廻はあるか/十二縁起と輪廻/生死無し/悲と願による生死/「妙」なる生き方

第七章 無功用の境涯
『楞伽経』と『金剛般若経』/はたらいて、はたらきぬく/無住処涅槃

第八章 仏性と仏
無字の公案/自己になり尽くす/本有無漏種子と仏性/四智と仏/いま・ここ・自己の仏/市井に遊戯する

あとがき
唯識・禅の系譜
◎ 索引
【著者略歴】
竹村 牧男(たけむら・まきお)
 昭和23年、東京に生まれる。東京大学文学部印度哲学科卒業。文化庁宗務課専門職員、三重大学助教授、筑波大学教授を経て、現在東洋大学教授。専攻は大乗仏教思想、日本仏教思想、西田の宗教哲学等。唯識研究で博士(文学)。学生時代より秋月龍老師のもとで参禅。居士号、祖a。
 著書に『唯識三性説の研究』『唯識の探求』『華厳とは何か』(春秋社)、『正法眼蔵講義』(大法輪閣)、『親鸞と一遍』(法蔵館)、『大乗仏教入門』(佼成出版社)、『良寛さまと読む法華経』『仏教は本当に意味があるのか』『西田幾多郎と仏教』『西田幾多郎と鈴木大拙』『般若心経を読みとく』(大東出版社)、『インド仏教の歴史』(講談社学術文庫)、『禅の哲学』(沖積社)など多数。