童謡詩人・金子みすゞ(1903〜1930)が遺した詩編の数々にやどる、あたたかで、やさしいまなざし。僧侶である著者が、「大漁」「積もった雪」「私と小鳥と鈴と」などを含む38編の詩を前に、その世界から感じさせられる仏さまの教えを紹介する──。 金子みすゞ(かねこ・みすず ) 1903年、山口県大津郡仙崎村(今の長門市)生まれ。本名金子テル。大正末期、西條八十に「若き童謡詩人の巨星」と称賛され、すぐれた作品を発表しつづけるも、26歳の若さで世を去る。没後、作品が散逸し、幻の童謡詩人と語り継がれるばかりとなったが、矢崎節夫の長年の努力により、遺稿集が見つかり、再び注目を集めるようになった。 ※金子みすゞさんについてもっと知りたい方は、「金子みすゞ著作保存会」(JULA出版局内)のHPを! |
| 《目次》 |
| まえがき 第一章 観るこころ・聴くこころ 観るということ/そのものと一つになる/観察なくして看護なし/深は新なり/聴くということ 第二章 大空をゆく 自分の空はみんなの空/喜ばれる悦び/オーランガバーズ/分身だからかわいい/心に宇宙を持つ 第三章 やさしい心のふるさと 奪わないで、いただく/馬の涙を見る/友を思う心/科学者の目から見ると/哀感をはぐくむ 第四章 みんなちがって、みんないい 上を向く生きかた/それぞれの持ち味を/平等心と広大心/上野千里の詩「みんなに」より/土におもう/インドでのショック/軽んずべからず・蔑むべからず/みすゞ小学校 第五章 与えて生きるよろこび 新聞配達の少女は観音さま/ある夜の星たちの話/見返りを求めない花のこころ/智人の施しとは 第六章 こだわらない人生を 心にケイ礙なし/周囲が見えなくなる/自然が教えてくれる/小事にこだわらない世界/心に澄む月 第七章 心に高き帆を 虚子の俳句に助けられる/はるかを見やるまなざし/なにかがあるから/好もしい友・好もしくない友/精進の花 第八章 懺悔のこころ 懺悔は美しい/さみしさに気づくこと/善意に受けとめる 第九章 大樹に学ぶ 木は何も言わない/二つの詩に学ぶ/枯葉を交換し合う木々/樹下に心を調える/聞いてさしあげる/あとからでは間に合わない/看病の人は/みすゞさんとあそぶ落語家 第十章 私は不思議でたまらない すべてが私たちのきょうだい/仕掛け人はだれか/最後のあいさつ/超自然との存問/万物の盛んな躍動 第十一章 だれにもやさしい仏さま 鯨墓/供養のこころ/仏さまからいただく/通ってゆける門/仏さまはやさしい 第十二章 ちいさい私のこころは大きい 他は是れ吾にあらず/自然の声を聞く/こころは大きい/平和を願う 金子みすゞ 年譜 |
| 【収録詩】 |
| 大漁/積もった雪/金魚のお墓/空の鯉/竹とんぼ/大きな文字/おさかな/仔牛/転校生/花屋の爺さん/私と小鳥と鈴と/土/みんなを好きに/いいこと/夢売り/花のたましい/石ころ/月と雲/帆/このみち/朝顔の蔓/さかむけ/犬/お日さん、雨さん/木/ばあやのお話/にわとり/蜂と神さま/つくる/蓮と鶏/不思議/鯨法会/お仏壇/さびしいとき/学校へゆくみち/草山/こころ/浜の石 〔掲載詩はすべて『金子みすゞ童謡全集』(JULA出版局)より引用〕 |
| 【著者プロフィール】 |
| 酒井 大岳(さかい・だいがく) 昭和10年群馬県生まれ。駒澤大学仏教学部禅学科卒業。曹洞宗長徳寺住職。南無の会会友。ナマステ・ネパール会会長。上州みすゞ会代表。昭和39年群馬県文学賞(随筆)、同56年上毛文学賞(俳句)、同58年上毛出版文化賞(『般若心経を生きる』)など受賞。 著書は『金子みすゞの詩を生きる』(JULA出版局)、『禅のことば』(曹洞宗宗務庁)、『生きぬく力・禅のことば』(清流出版)、『野に語る・般若心経』(光雲社)、『さらさら生きる』(家の光協会)、『仏教に学ぶ生き方』(弥生書房)、『あったかい仏教』(大法輪閣)など多数。 |