人生の困難から逃げず、噛みしめなさい──

野菜の根はとかく固い。しかし噛みしめているうちに柔らかくなり、味も出てきておいしくなるものです。人生でも困難から逃げることなく、よく噛みしめていくところに、真味がにじみ出てくるものである──。(「はじめに」より)

□ 菜根譚(さいこんたん)とは?
中国、明代の処世哲学書。2巻。洪応明(字は自誠)著。万暦年間(1573─1619)成立。短文357条からなる語録で、仕官中の保身の術や退官後の山林閑居の楽しみを、儒教・仏教・道教の思想をまじえた立場で述べた処世訓。中国はもとより、日本でも江戸時代に伝来し愛好された。

□ 本書の構成
 『菜根譚』を内容により天地人の三才に構成しなおし、選りすぐりの言葉をやさしい解説と読みやすい体裁で紹介している。(以下は目次の一部)

●まえがき
●天 才 篇 (天の巻)
・よく楽しみ、空しく過ごさない(前一〇七)
・花に学び、鳥に習う(前六〇)
・わたしの目は二つしかない(前八)   ほか20篇
●地 才 篇 (地の巻)
・わが身は一小天地なり(前一二八)
・いのちは循環する(後一一二)
・見るとは、聞くとは(後一一三)
・流れに随って流れに任せず(前七六)   ほか20篇
●人 才 篇 (人の巻)
・真理と生きる(前一)
・人が人に作るために(前一四九)
・大なるはじらい(前九)
・足るを知る(後二一)   ほか20篇
●あとがき

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【著者プロフィール】
□ 松原 泰道(まつばら・たいどう)
 明治40年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。岐阜・瑞龍寺で修行。東京・龍源寺住職、臨済宗妙心寺派教学部長を歴任。平成元年第23回仏教伝道文化賞受賞。平成11年禅文化賞受賞。
 現在は、日月庵主管、「南無の会」会長。白寿を迎えた今もなお講話を行い、禅のこころ、仏教的生き方をやさしく説いている。
 主著としては『般若心経入門』『公案夜話』『般若心経という生き方』『母を訪ねて山頭火』『道元』『生きるための杖ことば』『遺教経に学ぶ』『松原泰道全集』(全六巻)など多数。