《目次》
はじめに
第一章 仏教の基本的思想
第一節 我の否定
(1)釈尊の出発点
(2)仏教の綱領
(3)我(アートマン)とはなにか
(4)外道の我
(5)小乗の我
(6)否定的思弁の伝統
(7)無我と自我意識
(8)無我の論理
(9)無常・苦・無我は永遠の真理である

第二節 因果法則の重視
(1)なぜ善い行為は善い結果をもたらすのか
(2)業力と無常力
(3)根源者の追求
(4)絶対者否定の理由
T、概念による固定化の否定 U、自己責任の強調
(5)業について
(6)業と自由
(7)縁起の基本的定義
(8)「縁」の重要さ
(9)十二支縁起について
(10)縁起と無我

第三節 真実の世界
(1)世間的幸福の否定
(2)肉体的欲望の抑制
(3)死について
T、なぜ人間には死という現象があるのか U、死はいかにして解決されるか
(4)寂静こそ涅槃である
(5)法を目指し法に随う
(6)悟りへの道

第二章 部派仏教の思想
第一節 こころの分析─アビダルマ思想@
(1)部派仏教の形成
(2)経と律と論
(3)感覚と感覚器官
(4)感覚と知覚
(5)五識と意識
T、認識対象は何か U、無分別か有分別か

第二節 物質の分析─アビダルマ思想A
(1)仏教は「物質」をどのようにとらえるか
(2)とくに「物質的なるもの」について
(3)感覚の対象としての物質(色)
T、色について U、声について V香について W、味について X、蝕について
(4)物質でもこころでもないもの
(5)現象と非現象
(6)諸学派にみる無為の種類
(7)空間について
(8)虚空について
(9)択滅について
(10)非択滅について

第三章 大乗仏教の思想
第一節 飽くことなき否定の運動─般若思想
(1)小乗と大乗との相違
T、大乗は自利行他利行の二行の実践を主張する U、大乗は「生死即涅槃」と考える V、大乗は人無我に加えて法無我を説く
(2)菩薩の実践行(六波羅蜜多)
(3)小乗の般若から大乗の般若へ
(4)般若は母なり
(5)般若のはたらき
(6)無分別智と真如と不可言説
(7)中道の中の意味
(8)中と見る
(9)中を行ずる

第二節 一大唯心論の出現 ─唯識思想
(1)般若の空から唯識の有へ
(2)唯識思想の根源としてのヨーガ体験
(3)なぜ唯だ識のみであるのか
(4)二つの障害について
(5)とくに煩悩について
(6)深層心(アーラヤ識)の発見
(7)アーラヤの意味
(8)身体のなかに蔵むアーラヤ識
(9)種子を蔵めるアーラヤ識
(10)執着の対象としてのアーラヤ識
(11)深層心の浄化
(12)唯識観について

第四章 仏教思想の現代的意義
無我・縁起・菩薩の教えに学ぶ
(1)現代の諸問題と人心の荒廃
(2)「自分とは一体なにか」─「無我」に学ぶ
(3)「他によって生かされてある自分」─「縁起」に学ぶ
(4)「現実から理想を目指して生きる」─「菩薩」に学ぶ
索 引
【著者略歴】
横山 紘一(よこやま・こういつ)
1940年福岡県生まれ。1964年東京大学農学部水産学科卒業。
1967年東京大学文学部印度哲学科卒業。1974年東京大学大学院印度哲学博士課程修了。その後、東京大学文学部助手、立教大学文学部教授を経て、現在、立教大学名誉教授。『唯識・仏教辞典』を執筆中。鹿島神流師範。
主な著書に『唯識思想入門』(第三文明社)、『唯識の哲学』(平楽寺書店)、『唯識とは何か』(春秋社)、『唯識という生き方』(大法輪閣)、『やさしい唯識』(NHK出版)、『十牛図入門』(幻冬舎)など多数。