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| 1. お釈迦さまは実在したか |
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"仏伝"とよばれている釈尊の伝記には、あまりにも潤色された伝説的物語が多く、しかも相互に矛盾するような記述が少なくなかったために、長い間、この人物の実在性が疑われていたことは事実である。
しかしながら、19世紀末の西洋の学者の手による遺跡の発掘や、東西の多くの学者による文献学的研究の結果、現在では、その実在性を疑うものは皆無であるといってよかろう。
しからば、お釈迦さま、と日本で通称されている人物は、いかなる生涯を、いつ頃、そしてどこで送ったのであろうか。できるだけ伝説的要素を除いて、史実らしいと思われる部分を、経典の記述から取り出してみると、およそ次のようになると思われる。
西暦紀元前6〜4世紀頃、すなわち、今からおよそ2500年ほど前に、北インドにあったカピラバストという一小国の王子として、シュッドーダナ王と、妃マーヤー夫人の間に誕生した。
シッダールタ(悉達多=しつだった)と名づけられたこの王子は、やがて成長して従妹のヤショーダラーと結婚し、一子ラーフラを設けたが、この世の無常なることに思い至り、29歳の時に、城を出て一出家者となり、その後6年の間、当時の有名な修行者や仙人を訪れるが、彼等の教えに満足できず、一人ナイランジャナ河のほとりで瞑想にふけった。
大乗仏教の伝統的所説によると、35歳の12月8日の早朝に、この世の真理に気がついて、「めざめた者」としての仏陀(ぶっだ)の境地に到達したという。
それ以後80歳で亡くなるまでの45年の間、自らが悟った教えの内容を、インドの諸地方を遍歴しながら、多くの人びとに説き続けたのであり、その教えの内容が後に、弟子達によって、経典という形に編纂された、と信じられている。 |
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