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 石造物のいろいろ
                                      大法輪編集部
(大法輪閣刊『仏教べんり事典』より)




 石仏とは
 寺院・神社の境内や路傍で見られる石の仏さまや神さまを、一般には、ひとまとめにして(便宜上)、石仏と呼んでいます。石仏はある程度のつながりをもとに、大きく三つに分けることができます。

@神像系(道祖神・水神など)
A仏像系(観音菩薩・地蔵菩薩・弁財天など)
B石造遺物(狛犬・灯籠・道標など)

 古代・中世の石仏は関西地方を中心にして多く見られ、造立者は主に中央の権力者・僧侶・修験者などでした。近世に入ると庶民が石仏造立にかかわるようになり、現存する石仏の実に八割近くが江戸期のものといわれています。ことに関東地方では、白由な表現による多様な石仏が大量に造られるようになりました。

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 六地蔵(ろくじぞう)




 六地蔵は文字通り六躰の地蔵菩薩の群像です。お地蔵さんの救いは弥勒菩薩がこの世に現れるまでの無仏の間、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六つの迷いの世界)に及ぶとされ、各道に各地蔵が派遣されているということから六地蔵が誕生しました。
 なお、同様の石仏群像としては、五百羅漢像・十三仏像・七観音像・三十三観音像などがあります。


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 馬頭観音(ばとうかんのん)

 お地蔵さんと並んで石仏像が多いのが観音像ですが、その中でも単独では馬頭観音が一番多いようです。観音像としては例外的に忿怒形で、頭上に馬が彫られています。馬の病と安全を護ってくれるという信仰から、現代では競馬場にも祀られています。

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 道祖神(どうそじん)

 村境や橋のたもと、峠などに安置されている道祖神は「さえのかみ」とも呼ばれ、外部からやってくる敵や悪病から住民を護ってくれるという民間信仰の神さまです。起源は中国とされ、像容は多種多様。仲睦まじい男女の姿が彫られている像は「縁結びの神」としても信仰されています。

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 庚申塔(こうしんとう)

 庚申塔は庚申の日に祀られる青面(しょうめん)金剛を彫った塔で、庚申塚と呼ぶこともあります。邪鬼を踏む青面金剛の下に、「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿が彫られています。

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 五輪塔(ごりんとう)

 五輪塔は世界を構成するという五大(地・水・火・風・空)のそれぞれを象徴する方形・円形・三角形・半円形・宝珠形を下から順に積み上げた形の塔です。昔は将軍や大名の墓として建てられ、今でも大寺院の墓地でよく見かけます。板塔婆(いたとうば)の上部両側を刻むのはこの五輪塔が原形。

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 宝篋印塔(ほうきょういんとう)

 宝篋印塔は方形の石を積み重ねた形の塔です。本来は宝篋印陀羅尼(ほうきょういんだらに)という呪文を納めるものでしたが、後に武士や公卿の墓標として用いられるようになりました。

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 十三層塔

 これも墓石の一種で、多層塔ともいいます。多層塔には他に三層塔・五層塔・七層塔・九層塔・十五層塔などがあります。三重塔・五重塔・七重塔は寺院の木造建築物でもおなじみですが、石造物では七層塔と十三層塔が多いようです。

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 卵塔(らんとう)

 鳥の卯の形をした卵塔は、無縫塔(むほうとう)とも呼ばれる墓石です。おおむね歴代住職の墓として立てられています。

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 板碑(いたび)

 板碑は石塔婆の一種で、その多くは鎌倉時代から室町時代にかけて死者の追善のために立てられたといわれます。

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 石灯籠(いしどうろう)

灯籠は神仏に献じ供養する灯明を安置する入れ物で、それを石造したのが石灯籠。本堂の前に一基、あるいは左右に一対になって置かれているのをよく見かけますが、装飾品として庭園に安置されているのもあります。

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 仏足石(ぶっそくせき)

 仏足石は釈尊の足跡を石に刻んだもので、インドでは仏像が誕生する前に、釈尊のシンボルとして礼拝の対象となっていました。千輻輪宝(せんぷくりんぽう)・金剛杵(こんごうしょ)・双魚紋(そうぎょもん)などの図が彫られています。奈良薬師寺の仏足石が有名。

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 戒壇石(かいだんせき)

 戒壇石とは禅寺の山門前に立つ「不許葷酒入山門」の文字が刻まれた石碑で、結界石(けっかいせき)ともいいます。「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず」と読み、その意味は「この寺院の境内には修行の妨げになるような酒や精力がつく食べ物を入れてはならない」です。ちなみに寺でいう酒の隠語「般若湯(はんにゃとう)」は「智慧の水」の意。

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